私は赤ん坊のころを覚えています。
いきなりこう言ってしまうと、信用できないかも知れませんが、確かに私は覚えているのです。
完璧ではありませんが、はっきり覚えていることをあげてみると、赤ん坊の頃の寝たり起きたり、漏らしたり、そしてあのものすごい、しんどいくらいの異常な疲れ、疲労感。
他の記事でも書きましたが、この恐ろしい疲労感というのが、我ながら今もって不思議です。
そして、赤ん坊からやや時間が経って、やっと幼稚園に上がれるくらいの年になった頃、やっぱり不思議な出来事というのはあったのです。
しかもそれは何度も起きました。
常識では考えられないと思いますが、今回はその幼少の頃の話です。
赤ん坊の頃を覚えているのと幼少の体験は何かのつながりがあるのか
ただ、繰り返しますがそういう幼少の頃の不思議な体験というのは、どこか私の知り得ないところで何かその前、赤ん坊の頃の記憶とつながっているのかも知れません。
皆さんがもしも私のように、赤ん坊の頃の記憶があるとすれば、同じような体験になるかも知れませんし、そうでないかも知れません。
だから、それをみんな同じく赤ん坊の頃経験しているのか、と聞かれても、私には何とも言えないのです。
私自身は、別に小さいときに大病したわけでもありませんし、生まれながらに大きな病気を患っていたようなわけではありません。取り立てて大きな特異体質で生まれた、というわけでもないのです。
ざっとその頃の覚えていることを言いますと、天井につるされたベッドメリーを見つめながら、寝たり起きたり。
そして、寝返りも打つことができず、ただ仰向けに寝たままでした。
そして、生理現象に任せるまま、大も小もお漏らししっぱなしだったのです。
母親の授乳、乳母車に入れられて散歩。
そういう記憶もあります。
だから、これだけでも奇妙な体験というのかも知れません。
ですが、その他にも、
まさかそんな体験をしたなんて絶対に信じられない、
そんな体験をしています。
かといってそれは月並みに、幽霊を見たとか、あの世に行った、みたいな体験ではないのです。
いや、これはこれで恐るべき体験ですが。
それをちょっとお伝えしましょう。
音も立てずに衣装ケースが何度も動いた
赤ん坊から幼稚園へと、普通の子どもたちと同じように私も成長していったわけですが、確か幼稚園に入っていた頃だったと思います。
今考えてもものすごく不思議な体験をしているのです。
しかも一度だけではなく、何度となく同じ体験をしていました。
それは、目の前であるものが動き出してきたのです。
夜、布団に入って眠る前、何の気なしに寝室の隅にある、背の高い洋服ダンスを見たときです。
そうしたところ、その洋服ダンスの上においてあった衣装ケースが、突然音もなく、こちら側にスーッと動いてきました。
そして、そのまま動き続ければ洋服ダンスから落ちると思ったら、その洋服ダンスの正面の面にくっつきながら下へとしずしず動いたのです。
そして、その洋服ダンスの面の上でピタリと止まりました。
これが実は一回きりではなく、何度も起こったのです。
どうしてこんなことが起こるのか、子供心にも変に感じました。ですが最初の頃こそ奇異に感じはしたものの、毎度のように起こるのを見ているにつれ、慣れっこになってしまい、結局
ああ、こういうこともあるんだな。
と、別に珍しく思うこともなくなってきたのです。
そして、この現象が起こるのは夜寝るとき、布団に入ったり、布団の上に寝転がっているときに限っています。
さらに不思議なことには、あるとき、その動き出して洋服ダンスの横にくっついた衣装ケースを捕まえようと近寄ってみたことがありました。
でも、洋服ダンスのところまで歩いて行くには足見ていなくてはなりません“そうしないと布団につまづいて転ぶ心配があったからです。
で、洋風ダンスに近づいたとき、そうやってちょっと足下に目を落とし、再び洋服ダンスの衣装ケースを見たところ、今まで側面にくっついていた衣装ケースがいつの間にか元あったところ、洋服ダンスの上に戻っていたのです。
こんな話を聞くと、誰もが、寝ぼけていたのではないか、とか、目の錯覚だろう、でなければ頭がおかしいんじゃないの、とか疑うかもしれません。
さすがに私も、我ながらそう思います。
しかし繰り返しますが、同じことは何度も起こりました。
そしてなお奇妙なことには、当時私の自分を挟んで両隣に父と母、つまり両親が寝ていたのですが、この現象が起こるときには決まって両親は他の部屋にいて、私と一緒にはいませんでした。
捕まえられず、いつも逃げる衣装ケース
私もさすがに幼稚園だったとはいえ、いくら何でもこんなことは奇妙すぎる、と思いました。
ただ、そうは言っても何度も起こっていることだけに、慣れっこになってしまったのです。
そして終いには、ああ、こういうこともあるんだな、みたいに自分の中で納得してしまいました。
ですがあまりに不思議過ぎるので、あるときにはその動く洋服ダンスを捕まえようとしたこともありました。
何回かあったのです。
ですがいつも結果は同じでした。
どうなったかというと、手を伸ばして捕まえようとした衣装ケースは、そこからちょっと目を離したとたん、あっという間に元のところ、つまり洋服ダンスの上に戻っていました。
何度やっても同じ結果です。
しかも布団に入って寝ようとする矢先の出来事だったため、手をついていた布団の冷たさが今でも記憶にあります。
浮かばれきれない身内のサインか いつも私は見られていた
今思い出しても不思議としか言い様がないのですが、これも後年、その筋の人に聞いてみたところ、大体の原因を聞かされています。
どうやらこの現象を起こしていたのは、当時私の知らない家族、つまり私が生まれる前に他界していた身内の女性の一人がどうやら成仏しきれなかったようで、自分の存在を伝えようとして私にこういう現象を見せていたらしいのです。
つまり、自身が女性だということを“教えようとして、洋服ダンスや衣装ケースといった、女性の扱う物品を使って私に伝えようとしていたらしいですね。
後年それをある女性霊能者に告げられたことがありましたが、その際私が自分の身内、先祖の中で思い当たる名前を話したところ、突然激しい鳥肌が立ちました。
全身が総毛立つ、というのはああいうことを言うのでしょうか、そんな強烈な鳥肌を私は生まれて初めて経験しました。
それが霊の返事です、と、その女性霊能者は教えてくれましたが、たまたまそういう霊的な資質のようなものを多少盛った私が生まれてきたために起こるもののようです。
そして、死んだ先祖の中にはこういう風にして、私はまだ浮かばれていない、とか、何とかして自分が成仏できてあの世に行けるようにして欲しい、というサインを送ってくるようです。
どこの家でもそうだと思いますが、その家の先祖というのはあの世の人たちの中でも一番生きている人たちに近いところにいる存在で、だからこういう意味もあったり行動をしてくる、という事も多いのかも知れません。
そしてまた、子孫である私たちは先祖からそれだけよく見られている、観察されているといえるのではないでしょうか。
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